「集中力を高めてパフォーマンスにつなげたい」
そう思ったことはありませんか?
本記事では、次のような悩みについてお答えします。
- 「集中力って何?」
- 「集中力を高める方法を教えてほしい」
次の内容についてお話しします。
- 集中力とは
- 集中力を高める方法
- まとめ
記事の信頼性は、次のとおりです。
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)として、ラグビーやバレーボール、フィットネスクラブの指導を経験。
「集中力を高めてパフォーマンスにつなげたい」
というスポーツ選手の方に向けて分かりやすくまとめています。
早速、見ていきましょう。
目次
1.集中力とは何か

まずは、「集中力とは何か」についてお話しします。
「集中力を高める方法を早く教えろバカヤロー!!!!!」
という方もお付き合いください。
なぜかというと、集中力を理解していない状態で集中力を高める方法を学んでも仕方がないからです。
具体的には、次の内容について紹介します。
- 集中力とは
- 集中力が低下する要因
- フロー
では、それぞれ見ていきましょう。
1-1.集中力とは
集中力は、次のように表すことができます。
集中力とは、ある物事に気持ちや注意を集中する能力のことである
辞書では、上記のように書かれています。
一般的にも「集中力を高めろッ!」とか「集中力を切らすなッ!」と使われているので問題ないでしょう。
では、スポーツに置き換えて考えてみてください。
なぜスポーツ選手にとっての集中力が必要なんでしょうか。
次にまとめているため、ご覧ください。
- パフォーマンスを発揮する
- 試合に勝つ
- 記録を残す
よって、スポーツにおける集中力とは、パフォーマンスを発揮し、結果を残すための要因であると言えます。
1-2.集中力が低下する要因
集中力を高めるためには、集中力が低下する要因を排除することが必要不可欠でしょう。
なぜなら、集中力が低下する要因を排除することによって、集中力をキープできるからです。
では、具体的に集中力が低下する要因とは何なんでしょうか。
例を挙げているため、チェックしていきましょう3)。
- 低い目標達成意欲
- 格上との対戦
- 同点に追いつかれる
- 誤審
- 諦め・投げやりな気持ち
- 不安による思考の散漫
- 身体的疲労感・不調感
「待て待て、回避できない要因があるゾ」
もちろん、「格上との対戦」や「誤審」などは回避することができません。
なぜなら、自分自身がコントロールできない要因だからです。
しかし、そのほかの要因は、回避することができますよね?
つまり、集中力を高めるためには、集中力が低下する要因を回避することが必要と言えるでしょう。
1-3.フロー
フローは、集中力とかかわりがあるとされています。
なぜなら、チクセントミハイらは、フローについて次のように述べているからです。
「他のすべての思考や感情が消失するほど、自分の行為に完全に没入しているときの意識状態」
引用 いわゆる「ゾーン」における感性的体験に関する一見解―オーラの観点からの検討―1)
具体的な例を挙げているため、以下をご覧ください1)。
- 乗りに乗っている
- 十分な満足感
- 集中的な
- ゾーンの状態
- 完全な没頭
「そういや、たまに乗りに乗っているときあるかも」
という方もいるのではないでしょうか?
何をやってもうまくいく。
まるで一瞬だけ魔法をかけられたような感覚。
(だがしかし、魔法はすぐに解けてしまう…)
このような感覚を「フロー」と言います。
つまり、集中力とフローは、密接なかかわりがあると言えるでしょう。
2.スポーツ選手が実践する「集中力を高める方法」

集中力を高める3つの方法について紹介します。
- サイキングアップ
- セルフトーク
- ルーティン動作
それぞれ見ていきましょう。
2-1.サイキングアップ
サイキングアップは、気分を盛り上げる方法のことを言います。
言わずもがな、集中力を高めるためには、気分を盛り上げることが大切でしょう。
というのも、気分が乗らないだけで集中力が削られていくからです。
そして、サイキングアップは、気分を盛り上げるだけではなく、運動能力の向上にも有効とされています。
なぜなら、ある研究では、短距離走のパフォーマンス5)や力発揮4)が向上したという結果が出ているからです。
(さっさと、そのナンチャラアップとやらの方法を教えろ)
では、具体的なサイキングアップの方法を見ていきましょう。
以下にまとめているため、参考にしてください6)。
- 「からだの部位を軽く叩く」
- 「大きな声を出す」
- 「速く短い呼吸をする」
- 「アップテンポな音楽を聴く」
「スポーツ選手がやってるのをよく見る」
という方もいるのではないでしょうか?
サイキングアップは、カンタンに取り入れることができます。
ぜひ練習や試合で実践してみてはいかがでしょうか。
2-2.セルフトーク
自分自身に語りかけることをセルフトークと言います。
そして、セルフトークは、集中力を高める方法として有効な手段だとされています。
なぜかというと、セルフトークによって次のような効果が期待されるからです3)。
- 気持ちが切れることを回避する
- 自信が高まり,認知不安が緩和される
- 競技中のパフォーマンスや競技成績を向上できる
では、具体的にどのように行えばいいのでしょうか。
一例を挙げているため、参考にしてください。
- (思い切ってプレーしよう)
- (切り替えてやっていこう)
- (次のプレーで挽回しよう)
セルフトークは、いつでもどこでもサクッとできます。
よって、集中力を高めるためにもぜひ試してみましょう。
2-3.ルーティン動作
プレー直前にある決まった動作をすることをルーティン動作と言います。
「なんか聞いたことあるゾ」
現在、さまざまなスポーツ選手がルーティン動作を取り入れていますね。
- イチロー 選手(野球)
- 五郎丸歩 選手(ラグビー)
- 内村航平 選手(体操)
そして、ルーティン動作は、集中力を高める方法として効果的だとされています。
なぜなら、ある研究によって次のような効果的であることがわかっているからです2)。
- プレーの確実性と関係している
- 確実感・安心感を持つことができる
- 集中力の高揚効果がある
では、具体的なルーティン動作についてお話しします。
次に、具体例を挙げているため、参考にしてください。
- 同じ順序でウォーミングアップをする
- 練習(試合)前は、決まった曲を聴く
- 緊張する場面では、一度深呼吸をする
以上がルーティン動作のポイントおよび具体例です。
ぜひ、自分自身に合ったルーティン動作を取り入れてみましょう。
3.まとめ|スポーツ選手なら集中力を高める方法を知っておこう

ここまで集中力を高める方法について紹介してきました。
「集中力を高めてパフォーマンスにつなげたい」
というスポーツ選手にとって少しでも参考になればうれしいです。
最後にまとめを載せておきます。
ぜひ参考にしてください。
- 集中力とは、ある物事に気持ちや注意を集中する能力のことである。
- 集中力を高めるためには、集中力が低下する要因を排除することが必要不可欠である。
- フローとは、「他のすべての思考や感情が消失するほど、自分の行為に完全に没入しているときの意識状態」のことを言う。
- 集中力を高める方法として、「サイキングアップ」「セルフトーク」「ルーティン動作」などがある。
4.参考文献
- 志岐幸子ら,いわゆる「ゾーン」における感性的体験に関する一見解―オーラの観点からの検討―,トランスパーソナル心理学 / 精神医学,2013-09.
- 高橋直矢ら,大学陸上競技選手の心理的競技能力とルーティンの効果について,体育・スポーツ科学研究,2015-03,
- 来間千晶ら,競技中における気持ちが切れることの防止要因の検討 ―「気持ちが切れた」および「気持ちが切れなかった」現象の比較を通じて―,スポーツ心理学研究,2019-04.
- David A Tod,et al,"Psyching-up" enhances force production during the bench press exercise,J Strength Cond Res,2005 Aug.
- Sarra Hammoudi-Nassib,et al,Effects of Psyching-Up on Sprint Performance,J Strength Cond Res,2017 Aug.
- ハイパフォーマンススポーツセンター,メンタルトレーニング技法の紹介,発行年不明,2021-10-01閲覧.